Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
G.Wu*; 勝村 庸介*; 工藤 久明; 森田 洋右; 瀬口 忠男
J. Polym. Sci., Part A, 37(10), p.1541 - 1548, 1999/00
高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンを、真空中において、室温~220C、室温~360Cの間で線照射し、架橋とガス発生の温度依存性を調べた。300Cまでは、架橋が優先し、ゲル化線量は高温になるにつれて低下した。架橋の確率の増加は、2重結合へのラジカルの付加が促進するためと考えられた。300Cを越えると、同一線量でゲル分率を比較すると、温度とともにゲル分率は低下し、360Cではゼロになった。分子量分布測定の結果、切断が促進されていることが示された。ガス発生の主成分は水素で、水素発生のG値は温度とともに大きくなり、発生量は線量に対して飽和する傾向にあった。C~C炭化水素の組成は、側鎖の構造に依存し、高温にすると不飽和炭化水素の生成が増大した。
廣木 章博*; 吉田 勝; 山下 淳子*; 浅野 雅春; N.Reber*; R.Spohr*; 熊倉 稔*; 片貝 良一*
J. Polym. Sci., Part A, 36(10), p.1495 - 1500, 1998/00
アクリロイル-L-プロリンメチルエステル(A-ProOMe)を水の共存下で放射能重合させ、多孔性ゲル膜を合成した。電子顕微鏡観察から、このゲル膜の多孔構造は、A-ProOMeの直鎖状ポリマーのもつ下限臨界共溶温度(LCST、14C)以下では迷宮細孔構造からなることが判明した。この迷宮細孔の形、サイズは、温度によって制御できる。例えば、温度を低温から高温に変化させた場合、孔の形は連続した迷宮細孔から独立した孔に、また、そのサイズは20mから0.02mまで変わる。このような温度応答機能をもつ多孔性ゲル膜の特性を、p-ニトロフェノール(p-NP)の透過から調べた。その結果、迷宮細孔構造からなるゲル膜(10C)からのp-NPの透過定数は0.6010cm/minの値をもつことが分かった。一方、独立した微細孔からなるゲル膜(18C)からのp-NPの透過定数は検出限界以下の値(0.1010cm/min)であった。
吉田 勝; 長岡 範安*; 浅野 雅春; 諏訪 武; 久保田 仁*; 片貝 良一*
J. Polym. Sci., Part A, 35, p.3075 - 3077, 1997/00
N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)は62Cに融点を持つ結晶性モノマーであり、水に可溶である。このモノマーを、融点以下での結晶状態、逆にこの温度以上での溶融状態、あるいは水に溶解させた状態で放射線を照射すると、いずれの計においても、重合が起こることを見い出した。この場合、放射線による重合過程で、架橋剤が存在しないにもかかわらず自己架橋と分解が同時に起こることも明らかとなった。得られたポリマーゲルは、32Cで体積相転移をともなう。0Cと50Cで測定した体積変化の比は架橋密度によって影響される。そこで、この関係から、NIPAAmの放射線による重合過程での架橋と分解のメカニズムを考察した。
浜田 祐二*; 河西 俊一; 西井 正信; 清水 雄一; 杉本 俊一; 江間 喜美子*; 山本 忠史*
J. Photopolym. Sci. Technol., 6(3), p.385 - 392, 1993/00
エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)のエキシマレーザー光(ArF,KrF)照射によって誘起される化学変化を、ETFE全体については、紫外吸光光度法、赤外分光法によって調べ、ETFE表面については、X線光電子分光法を用いて調べた。ArFレーザー光照射によってETFE全体に二重結合が生成し、KrFレーザー光照射ではETFEは炭化した。一方、ETFE表面では、KrF及びArFレーザー光照射によってともに酸化物が生成した。このように、ETFE表面の化学反応は、全体での反応と異なることがわかった。また、レーザー光照射後のETFE表面について深さ方向分析を行い、レーザー光照射に伴う酸化反応は、表面に近い部分ほど進んでいることを見出した。この現象は、空気中の酸素の存在に起因しているものと結論した。
吉田 勝; 大道 英樹; 片貝 良一*
Polym. J., 25(2), p.215 - 217, 1993/00
被引用回数:8 パーセンタイル:39.34(Polymer Science)側鎖に各種アミノ酸をもつメタクリロイルモノマーを合成し、放射線重合によってゲルを得た。これらのゲルは低温で膨潤し、高温で収縮するという可逆的な温度応答性を示した。また、側鎖アミノ酸の種類及びカルボキシ保護基のアルキル基のサイズによっては、収縮状態から非可逆的な膨潤をおこすことも見出した。このような非可逆過程をおこす臨界の温度を調べた。
河西 俊一; 杉本 俊一; 清水 雄一; 鈴木 伸武
J. Photopolym. Sci. Technol., 5(2), p.271 - 278, 1992/00
エキシマレーザーからの高出力紫外光照射によるエチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)とポリエーテルエーテルケトン(PEEK)の表面化学状態変化をXPSを用いて検討した。ETFEでは、KrF光照射により炭化が起こり、ArF光照射によりカルボニル基、二重結合が生成した。この照射波長依存性は、KrF光照射では照射波長近傍にピークを持つ吸収バンドが生成することによるレーザーアブレーションが起こったためと結論した。またPEEKでは、ベンゼン環、エーテル基が減少し、代わってカルボキシル基が生成した。このうちベンゼン環(ポリマー単位中に3個)は、KrF光照射で一個開裂し、150J以上の照射でも変わらなかった。ArF光照射では、ベンゼン環は、KrF光照射よりも大きい速度で単調に減少した。
吉田 勝; 浅野 雅春; 横田 勉*; R.Chosdu*; 熊倉 稔
J. Polym. Sci., Part C, 27, p.437 - 442, 1989/00
生物活性体中に含まれるアミノ基と、緩慢な条件下で化学結合する活性(反応性)N-acryloxysuccinimide(Asu)を合成した。Asuをエチルプロピオネート中で放射線重合させた時、モノマー溶液は、均一系から不均一系に変化し、結果的に塊状ポリマーが得られた。しかし、Asuをdiethylene glyco dimethacrylate(2G)と共重合させた場合、限られた組成(100-70%2G組成)で、粒子形成をおこした。例えば、copoly(Asu/2G,20/80%)系における粒子サイズは0.91mになる。この粒子サイズは、重合時の溶媒系を選択することにより、調節できる(0.70-8.61mの範囲において)。一方、copoly(Asu/2G,20/80%)系粒子(2.70m粒子を用いて)を用いて、活性Su基の反応性をグルコアミラーゼ酵素によって調べた。その結果、粒子の1g当り20mgの酵素の結合が確認された。
林 香苗; 竹崎 淳一; 岡田 紀夫; 桜田 一郎*
J.Appl.Polym.Sci., 36, p.295 - 308, 1988/00
被引用回数:6 パーセンタイル:40.82(Polymer Science)メタクリル酸メチルおよびアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチルの放射線重合を線ならびに電子線加速器を用いて10-10rad/secの広い線量率範囲にわたって行った。メタクリル酸メチル、アクリル酸n-ブチルに対しては上記の全線量率領域にわたってラジカル重合がおこり、重合初期段階では定常状態の動力学が成立することがわかった。アクリル酸メチル、アクリル酸エチルに対しては、線量率の増大による重合速度の増大は、1/2乗則から予想されるよりずっと小さく、線量率の増大による分子量の減少よりもずっと小さいことが示された。ここで研究したモノマーすべてについて、ゲル効果による重合速度の自動加速現象は、線量率の増大により明瞭でなくなった。これらのモノマーから得られたポリマーはすべて二つのピークをもつ分子量分布をもっていることが明らかとなった。
浅野 雅春; 吉田 勝; 嘉悦 勲; 片貝 良一*; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
Polym. J., 20(3), p.281 - 284, 1988/00
被引用回数:7 パーセンタイル:71.96(Polymer Science)ペプチド結合とエステル結合をもつシーケンシャルポリデプシペプチド、〔Ala-Leu-Glu(OEt)-Lac〕とペプチド結合のみをもつシーケンシャルポリペプチド、〔Ala-Leu-Glu(OEt)-Ala〕を合成した。これらのポリマーの酵素分解性を検討した。
江草 茂則; 佐々木 隆; 萩原 幸
J.Appl.Polym.Sci., 34, p.2163 - 2176, 1987/00
被引用回数:8 パーセンタイル:45.54(Polymer Science)エポキシ樹脂とアクリル系モノマーの高粘性混合物に電子線を照射することにより、グラフト重合を開始させた。重合系の温度測定から、重合反応は約5秒間の電子線照射中のみならず照射後も進行することがわかった。電子線電流が6.0mAと比較的高いときにはその重合反応は20秒ほど続くのみであるが、0.6mAと低いときには重合反応は照射後50秒も継続する。得られたグラフト重合物のGPC分析から、アクリル系モノマーの重合物の分子量分布は、電子線電流が下がるに連れて著しくブロードになることがわかる。さらに、グラフト効率は電子線電流の増加とともに大きくなる傾向が認められる。これらの結果は、ポリマーラジカルなどの活性種の易動度と濃度の電子線電流依存性によって解釈される。
江草 茂則; 佐々木 隆; 萩原 幸
J.Appl.Polym.Sci., 34, p.2177 - 2186, 1987/00
被引用回数:5 パーセンタイル:34.08(Polymer Science)エポキシ樹脂とアクリル系モノマーの高粘性混合物に電子線を照射することにより、水分散性を有する改質樹脂を合成した。この改質樹脂をブタノール/シクロヘキサノン混合溶媒中で70Cに加熱したのち、アルカリ水かエタノールを添加すると安定なエマルジョンが得られた。ストップド・フロー法によるエマルジョンの粒子径測定の結果から、改質樹脂を70Cで加熱中にいわゆるPOOエマルジョンが生成され、アルカリ水またはエタノールの添加は単にその粒子を分解するのみであることが判明した。さらにエマルジョンの安定性のpH依存性から、この粒子の構造は、エポキシ樹脂が核をなしその周りをアクリル系ポリマーが覆ったものであることが示唆された。
吉井 文男; 佐々木 隆; 幕内 恵三; 田村 直幸
J.Appl.Polym.Sci., 31, p.1343 - 1350, 1986/00
被引用回数:30 パーセンタイル:81.13(Polymer Science)ケミルミネッセンス分析により医療用具に使用されているポリプロピレンの照射中に形成される酸化層の測定を行った。酸化は酸素の拡散が容易なポリマーの表面付近で著しく起き、内部へいくほど減少するU字タイプの酸化度の分布を示した。ポリマー表面から酸化量が一定になるまでの深さ、酸化層は、線量率に大きく依存し、低線量率ほど深くなる。一方、ポリマー内部では、酸素の拡散が充分でないために酸化が起こりにくい。電子線照射の場合は、線と同様の酸化層が形成されるが、酸化の程度は、線の最も酸化されにく110rad/hrの線量率と比較してもそれの1/3である。したがって、電子線照射による材質の酸化は線に比べて著しく小さいということが分った。
吉井 文男; 幕内 恵三; 石垣 功
J.Appl.Polym.Sci., 32, p.5669 - 5671, 1986/00
被引用回数:7 パーセンタイル:68.33(Polymer Science)ポリプロピレンのモルホルジーと耐放射線性との関係を明らかにするために、高温で融解したポリマーを種々の温度で結晶化した試料の照射効果を調べた。劣化の程度は引張試験による破断伸びで評価した。結晶化を水を通したプレス中で行った場合は、2.5Mradの照射で伸びがなくなってしまう。一方、ドライアイスで-60Cに冷却したメタノール中および水道水中で急冷した試料は、2.5Mradまでは破断伸びの減少が全くなく、劣化しにくいことが分った。これらの試料の融解挙動は、ドライアイス-メタノール中で急冷したものは融解の開始温度と融点がプレス中で冷却したよりも低い。この事実から、ポリプロピレンにおいては、OSC曲線の低温側で融解する成分が多いと耐放射線性がよくなることが明らかとなった。
梶 加名子
J.Appl.Polym.Sci., 32, p.4405 - 4422, 1986/00
被引用回数:28 パーセンタイル:79.52(Polymer Science)アクリル酸グラフトポリエチレンの組織構造とグラフトポリアクリル酸の分布を調べた。グラフト重合はホモ重合抑制剤であるモール塩の添加系あるいは無添加系で前照射を用いて行なった。モール塩の添加のない系ではフィルム表面にグラフトポリアクリル酸の層が形成され、添加系ではグラフトポリアクリル酸とポリエチレンの両方からなる層が形成されることが明らかになった。
吉田 勝; 浅野 雅春; 嘉悦 勲; 今井 強一*; 湯浅 久子*; 山中 英寿*; 志田 圭三*; 鈴木 慶二*; 若林 克己*; 山崎 巖*
Polym.J., 18(4), p.287 - 296, 1986/00
被引用回数:9 パーセンタイル:51.88(Polymer Science)低温放射線注形重合法によって、疎水性diethylene glycol dimethacrylate/親水性polyethylene glycol #600 dimethacrylateからなる80/20 vol-%組成のメタクリル酸コポリマー中にdes-Gly-[D-Leu]-LH-RH-ethlamideを包含する。上述の薬物は水に可溶である。一般にポリマー中に単純分散状態で包含されている薬物のin vitro放出パターンは時間を関数とした時、イクスポネンシャルな減少傾向を示す。本稿では、コポリマーからの薬物の放出に見掛け上zero-order mechanismを付与するため、薬物を錠剤化(加圧下)し、それの上下に適当なフィルター膜を重ね合わせ、さらにメタクリル酸コポリマーによって含浸包含することを試みた。例えば、Whatman No.1フィルター膜を用いた場合、複合体からの薬物のin vitro放出パターンは見掛け上zero-order mechanismをとり、250日間の試験期間にわたって16g/dayの一定値を保持した。これはradioimmuno assayから測定したserum薬物濃度の値からも示唆される。
吉田 勝; 浅野 雅春; 嘉悦 勲
Eur.Polym.J., 21(9), p.777 - 779, 1985/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Polymer Science)アルキルアミノ置換基をもつスチレン誘導体(CH=CH・CH・CHCHNRR)のポリマーは生体適合性素材として高く評価されている。これらのモノマーの放射線重合性については、今まで全く報告されていない。そこで、我々はCo線源からの線を用いて、-96Cから25Cの温度範囲でのモノマーの重合性について検討した。例えば、(2-isopropylaminoethyl)-4-vinylbenzene(IPVB)のガラス転移温度(Tg)は-94Cであるが、-96C、-78C、-55C、-37C、-24C、0Cそして25Cの温度下、410rad照射した時のIPVBの重合収率は各々2.4%、27.4%、39.9%、35.7%、36.4%、54.8%、そして71.3%となった。この線量でのポリマーはやわらかくガム状であったが10rad以上照射したポリマーはかたく、透明な状態を呈した。これらの結果と、粘度、IRのデーターから重合メカニズムについて考察した。
吉井 文男; 佐々木 隆; 幕内 恵三; 田村 直幸
J.Appl.Polym.Sci., 30, p.3339 - 3346, 1985/00
被引用回数:41 パーセンタイル:86.74(Polymer Science)医療用具の放射線滅菌に関して、線と電子線によるホモポリプロピレン(HP),コポリプロピレン(CP)およびポリメチルペンテンの照射中の劣化を比較し、その劣化の程度と化学発光分析による発光量との関係を調べた。HPは電子線と線のいずれの照射でも2.5Mradの滅菌線量で著しく劣化した。CPとポリメチルペンテンは電子線と線とで劣化の挙動が大きく異なり、電子線照射の方が線よりも安定であった。劣化はこの3種のポリマーの中でポリメチルペンテンが照射に対して最も安定であった。パーオキシラジカルの再結合反応により発光する化学発光量が線量とともに増大し、ポリマーの劣化とよく対応した。ポリマーの劣化は線と電子線による照射線源によらず酸化のみに依存することが分った。このように化学発光分析は照射ポリマーの劣化を評価するのに極めて有益であることが明らかとなった。
大道 英樹; V.T.Stannett*
J.Appl.Polym.Sci., 30, p.3059 - 3067, 1985/00
被引用回数:9 パーセンタイル:53.33(Polymer Science)溶媒の存在下でポリウレタンに対するメタクリル酸の放射線グラフト重合を行った。モノマー溶液の溶解度パラメータが11.0のときポリウレタンの膨潤率が最高となった。溶媒が存在しない場合は、ポリウレタンの分子量は照射線量を30Mradまでふやしても変化しなかった。一方、溶媒存在下では、分子量が低下した。四塩化炭素,ベンゼン,n-ヘキサン中では、モノマー濃度を低くすると共にグラフト率が低下した。四塩化炭素中でのグラフト率の大幅な減少は、連鎖移動の確率が高いためであることを明らかにした。一方、水,メタノール,DMFなどを溶媒として用いた場合は、モノマー濃度が約75%のときにグラフト率の極大が現われた。膨潤やグラフト率は、ポリウレタン-メタクリル酸-溶媒間の水素結合によって影響されることを明らかにした。
岡本 次郎; 須郷 高信; 片貝 秋雄; 大道 英樹
J.Appl.Polym.Sci., 30, p.2967 - 2977, 1985/00
被引用回数:104 パーセンタイル:96.81(Polymer Science)アクリロニトリルの放射線グラフトとグラフトのシアノ基のヒドロキシルアミンによるアミドキシム化によって、アミドキシム基を含有する繊維状の金属用吸着材を合成した。アミドキシム化率および繊維中のアミドキシム基の分布をXMAによって測定した。使用前に吸着材を高温で短時間アルカリ処理することにより、金属イオンの吸着率が向上した。各種2価金属イオンに対する吸着性は、HgCuNiCoCdの順であった。繊維吸着材内部での金属イオンの分布状態から、吸着が金属イオンを含む溶液の吸着材内部への拡散によって支配されることを見出した。また、アミドキシム基の分布を吸着材の表面にのみ限定し、かつアミドキシム基を含むグラフト鎖の鎖長を短かくすることにより吸着率が向上することがわかった。
幕内 恵三; 萩原 幸
J.Appl.Polym.Sci., 29, p.965 - 976, 1984/00
被引用回数:28 パーセンタイル:79.05(Polymer Science)天然ゴムラテックスの放射線加硫促進剤として、各種多官能性モノマーの効果を検討した。ラテックスの促進剤としての効率は、モノマーのゴム粒子内への溶解性とゴム分子との反応性(グラフト重合性)の二つの因子が重要であると考えられるため、まず、モノマーのゴムへの溶解度を測定し、溶解度の高いモノマーを選定した。溶解度の低いモノマーを、ラテックスに添加すると、ラテックスの粘度が上昇し、凝固することもあるが、溶解度の高いモノマーでは、粘度上昇は少なかった。加硫促進効率は、溶解度のみには依存せず、モノマーとゴム分子の反応性が重要であることが判った。ラテックスの安定性と反応性との観点から、ネオペンチルグリコールジメタクリレートが加硫促進としてすぐれていることが明らかとなった。これを、将来の促進剤であるCClと比較したところ、必要線量は高いものの、ラテックスの安定性とフィルムの老化性の2点ですぐれていることが判明した。